2020.04.08更新

本日兵庫工業高等学校で読む祝辞が新型コロナウイルスによる緊急事態発令により没になってしまいました。
依ってこの祝辞は幻となってしまいましたが、折角ですのでフェイスブック上に掲載しておきます。

皆さん本日は御入学誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。
六甲の山並みは春霞に薄れ、青空に揺蕩う雲も春光に映えて美しく輝き、明日への芽吹きのエネルギーを感じる此の頃の佳き日に、御入学された事を改めて嬉しく思います。
私は兵庫工業倶楽部(同窓会)理事長の大役を仰せ付かっております化学科18回を卒業しました冨金原伸伍でございます。
我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校致しました。その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。更に時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、62年には情報技術科を新設し現在では8学科を有する全国でも有数の工業高校として発展して参りました。又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は34969名からなる大同窓会であります。組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。このように116年の伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、三年後、今日御入学された方々が全員御入会頂ける事を心より嬉しく心強く思っております。
貴方々は今日から116年の伝統に育まれた県工の学び舎で3年間勉学に励む事の出来るチャンスを与えられました。
3年間は長いようでも過ぎ去ってみれば非常に短い時間であったと痛感する事でしょう。古人は「光陰矢の如し」と云っております。然し短いからこそ、制限時間があるからこそ、その時間内に成し遂げておこうという意欲が湧いてくるのも事実です。何もせずとも時間は過ぎ去っていきます。
貴方々は県工という土俵に上がられたのですから、このチャンスを逃す手は全くの処ありません。何でも良いので心に少しでも掠める様な事でもあれば、その事を追求し学んで欲しく思います。
学校という限られた時間帯の中では多くの事を学ぶ事は不可能であると思いますが、全ての物事には土台という基礎があります。この基礎さえ把握しておけば、後は努力次第でいくらでも発展させてゆく事が出来るでしょう。卑近な例を紐解いてみると、皆さん方もよく知っておられる瞬間接着剤を発明したのは化学科の卒業生であります。
彼は在学中、化学の総てを学んだ訳ではありません。在学中に基礎工学を学び、その基礎を武器にして色々なものを創造し、構築し、発展させて歩んだ結果、此のような果実を実らせたのだと思います。学問も、芸術も、スポーツも全てに於いて云える事だと思います。
扨、話は変わりますが
今、全世界的に猛威を奮っている新型コロナウイルスに視点を移して、私なりの考えを披露させて頂きます。
新型コロナウイルスのような微生物は、地球が誕生したその原点迄遡って考えてみると古細菌類に行きつきます。これ等の微生物は途方も無い太古の昔から地球に存在しており、42億年も前からとも云われております。其れ等が環境に対応する為に生体を多用に変化させ、新型コロナウイルス等に変様して来たと思われます。
ウイルスも花粉も太古の昔から存在しており、この歴史的事実から見てみると、人間の出現はせいぜい20万年前と云われており、つい最近という事になります。太古の昔から存在しているコロナのような微生物が悪いの、花粉が悪いのと云い張った所で何の解決策にもなりません。其れ等をいくら駆逐しようとしても、駆逐しきれないでしょう。薬の役目は免疫力の補完であって、病気を治すのは飽く迄も自己免疫力に頼るしかありません。
其処で私が皆さんに云いたい事は、在学中の3年間で何の様な病気にも屈しない強靭な体と、何の様な境遇にも負けない不撓不屈の精神力を養って頂きたく思います。身体的、精神的免疫力という完璧な健康体の基本作りを目指して欲しく思います。
与えられた此の3年間を何の様に生かしていくのか今日人生をも左右しかねない大きなスタートが切られました。3年後貴方々が大きく成長された姿を想像し、満腔の思いをい抱き乍ら私の挨拶とさせて頂きます。本日は御入学誠におめでとうございます。

令和2年4月8日

           兵庫工業倶楽部理事長  冨金原 伸伍


 

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