2022.06.04更新

御挨拶

兵庫工業倶楽部理事長
冨金原 伸伍

同窓諸兄姉の皆様に於かれましては益々御健勝の御事心よりお慶び申し上げます。
平素より兵工倶楽部へ物心共に多大なる御支援を戴いております事この場を借りて厚く御礼申し上げます。
扨、昨年コロナ禍の真只中、4月に御着任された矢部宰文校長先生にありましてはコロナ対策等、前代未聞の困難な時期を極めている折柄ではありますが、学校運営を支障無く遂行されている事に心より安意しております。矢部校長先生以下教職員の皆皆様の御尽力に感謝と敬意を表します。
又、大変残念な事に去る2月23日、昭和34年に創設された電子科(平成5年に電子工学科に改称)が、その63年の歴史に幕を閉じ、閉科となりました。この紙面を借りて御報告させて頂きます。挨拶が上記の如く少し寂しい話題になってしまいましたが御許し下さい。又その反面明るい話題もあります。
本校は明治35年11月8日(1902年)に兵庫県立工業学校として設置されて爾来120年の歴史を歩んでまいりました。 8学科を擁し卒業生は36,000有余名を数え、開校以来120年間、間断なく日本の産業界の発展に寄与し続けて参りました。
1868年開国当時、日本の輸出用産品と云えば絹、茶、工芸品位でしかなかったと云われております。ところが開国から40年余の短期間の中にマッチから軍艦に至る迄、軽工業から重工業までを網羅し、それ等の多くを国産化する事に成功したのであります。
この事を「極東の奇跡」と言っても過言ではないでしょう。そして国富を蓄えて欧米列強と比肩しうるよう挙国一致してその目的の為に萬進していきました。そしてその間、日清戦争を始め、日露戦争、第1次世界大戦、第2次世界大戦と幾多の国運を懸けた戦争を経験し艱難辛苦を乗り越えて来ました。
吾が県工はその間日本の工業の礎を支え、国の生存と繁栄を信じて今日迄貢献して参りました。学校の名称変更、学科の新設存廃等々数々の変遷を繰り返し乍ら発展して参りました。
自然界を見渡してみても、その理は全くの処そうである様に旧態依然として脱皮を厭う様では真の進化発展は望めない事でしょう。
我執に拘泥せず、無遮の気風を不動のものとして定めておけば、県工の未来は何ら憂うる事無く、今後150周年200周年を壮健にして迎え、祝着する事夢想だにせず県工の隆盛を固く信じて疑わない心を持ち続けていく事をここに宣言し、来る11月8日に開催される記念式典の成功を心より祈念して御挨拶とさせて頂きます。

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