2012.04.18更新

1.西洋医学と東洋医学の今日

私の専門としています東洋医学から見た身体の陰陽
論については、専門といってもとても哲学的なことで
すので、東洋医学を勉強した人なら、陰陽論がわかっ
ているかとか、陰陽論を駆使して東洋医学を施してい
るかということは、非常に疑問です。そういうことは
学校では全く習いませんし、そういうものの必要性の
認識が無い中で、ただ、西洋医学的な治療の中に東洋
医学の技術を活かしているというのが現実のように思
われます。というのは、西洋医学には病名があります。
色々な症状が出るでしょう。その色々な症状を考察し
て、病名をつけるわけで、その病名に対して治療法が
あるんです。これが西洋医学的な治療パターンです。
ですから、新しい病気が出たときには病名がありませ
んから、治療方法がないわけなんです。
例えばエイズが出ました。
エイズという病気が出ても、エイズに対する治療法は
ないんです。病名が付くまでは。病名を付けてから、
どういう薬が合うか、合わないかを考えていきます。
それには非常に時間がかかります。そして犠牲者も多
く出てしまいます。東洋医学の考え方というのは、病
名がありません。症状を見て、この症状を見て、この
症状にはこの治療法、この症状にはこの漢方薬、こう
いうツボ、というように症状を見て治療がすぐ成立し
ていくんです。ですから、どんな病気でも症状が出る
わけですから、即治療というふうになります。西洋医
学というのは、非常にアバウトな治療法です。という
のは、この病気になったらこの薬を与える。しかし、
その薬の量も、その薬が患者という個体に合っている
かどうかはわからないわけです。だから、治療ミスが
発生します。しかし彼らは「九割よかったら、いいじ
やないか」と言います。「あとのI〇%は仕方がない」
と。そしてついには「それは、体質が悪い」「遺伝だ」
などと、体質とか遺伝という訳の分からない方向にい
ってしまうこともあります。これは、西洋医学という
ものが、科学というものを追随しながら、実はそうい
うところを非常に曖昧にしてしまっているということ
です。これが非常に不可解なところなんです。
戦争医学とも言えるんじゃないかと思います。という
のは、戦争が起こると、10%か20%は仕方ない。
忙しいから、8割治ったらそれでもういいから、早
く戦争に行け。そういう風な「にわか仕立て」の治
療の仕方、荒っぽい治療のやり方が西洋医学なんで
す。東洋医学というのは、その個体に合わせて治療
をしていきます。だから漢方薬も「匙加減」とよく
言いますね。この匙加減というのは、その患者さん
に合わせて加減しながらきちっとその患者さんに合
う量を測っていく。ですから同じ風邪引きでも、風
邪の症状が違います。今年の風邪は下痢ばっかりだ
とか、くしやみばっかりだとか、熱ばっかり出ると
か、風邪にもいろんなパターンがあります。ですから、
西洋医学的には風邪を引いたらこの薬という一つの
パターンしかありませんけれども、東洋医学的には
下痢なら腸が悪いのではないか、というように、風
邪という概念はなしに、下痢している原因を見付ける
ことから始まります。このように、非常に考え方が違
うんです。
そういうなかで、今日のテ~マであります「陰陽論」
ということに入っていきます。今の東洋医学をやって
いる人々はおそらく殆どの人がそういうことは考えず
に、ただ西洋医学的に、風邪引きならこのツボ、肝臓
が悪くなったらこのツボというように、病名=ツボと
いう治療法になってしまっているわけです。だから本
来の東洋医学の考え方ができる人はほとんどいなくな
りました。東洋医学も西洋医学化してしまっている感
じです。逆にそれの方が簡単で、手っ取り早いかもし
れません。教える方もそのほうが簡単ですね。でもそ
れは、本来の東洋医学ではありません。なぜなら、東
洋医学は陰陽論という土台の上に開花した医学に他な
らないからです。

2、陰陽論と易
みなさんをはじめ我々東洋人にとって、「陰」「陽」
といえば、日常茶飯事に使っているわかりやすい言葉
です。わかりすぎてしまって、わかっていないという
逆の面があろうかと思います。そして、この陰陽論と
いう考え方は、もともとは易の基本になる考え方であ
るのです。五千年も、それ以前も前の中国にこの考え
方が出てきたようです。
その昔、フクギ伏義という既に神話的になってしまった
人がいたが、彼は自分の部族を移動させていく中で、
敵から襲われないように導き、天変地変を先に読み取り、
そしてリーダーとしての人格も備えなければならなか
った。そういう状況下、彼を取り巻く森羅万象の変化
に注目し、天の星空を見たり、天の運行などを総て観
察した結果、陰陽論というものを作ってくるわけです。
これが後世に易になっていきます。
易というのは「易い。簡単になる」という意味で、
だから「易」です。
易者の皆さんがいじくっているあれは、本当は易では
なくて、占いです。
当たるもハ卦、はずれるもハ卦で、当たらない事が殆ど
だと思いますが、当たらないからあの人達は路上でや
っているのだと思います。バリバリ当たるんだったら、
御殿にでも住んで、自分から客を求めなくても向こう
から来てくれるのではないでしょうか。
それより、それくらい当たるんであれば、彼らは自分の
将来を占った方がいいんじゃないかと思います。
あれは迷信というか、心のよりどころというのか、いい
加減なものですが、その「易」ではなくて、本当の意味
の「易」です。これが陰陽論、即ち何でもたやすく物事
を解決できる方法です。
あのハ卦の中にも「陰・陽」が書いてあります。
三本あったら「陽」で、点があったら「陰」です。
「大腸、太陰」などがあり、
三つの「陽」と三つの「陰」とを組み合わせてハつの
ハ卦ができますが、あれはハ種類のハ卦をもって、森羅
万象、天地すべてを読み取ろうとしています。
その形それぞれに意味があるんです。
勇気、優しさ、女、男などを表します。
それを当てものにしているのが、あの占いです。本来
の意味ではありません。
  「陰陽」というのはどんなところから見ていくのか
というのは、皆さんご存じの通り、男と女は「陽と陰」、
動物と植物、動物は動き回るから「陽」、植物は静かで
動かないから「陰」というように分けていくわけです。
これを物理、経済、宗教、精神論にまでどんどん展開
していくわけです。
そして、それが非常に簡単に展開できるし、説明できる
し、将来を読むことができるということで、陰陽論すな
わち易ということになるんです。
世の中にはだいたい押し付けで、決められていることと
して信じさせられてしまっていることが多々あります。
「コーヒーは苦い」。これを「何故?」と開けば、
「コーヒーは苦いに決まっている」と言われるでしょう。
「砂糖は甘い」。これらを「何故」と反論しても
答えられる人はいないでしょう。
ということは、科学を信仰しながら、非常に迷信を信じ
ていたことになります。
押し付けで、理屈も理由もなしに、ただ教え込まれてい
たことになります。
「どうして右利きが多くて、左利きが少ないのか」これ
を科学的に医学的に説明することはできません。
「昔から右利きが多いんだ」で終わりです。
どうして中国人や日本人は著を使ってバラバラのものを
わざわざひっつけて食べ、
西洋人はナイフとフオークで引き離して食べるのでしょ
うか。
日本人など、東洋人はバラバラのものをひとつにしよう
という発想なんです。それが著の上げ下げに表れてい
ます。そこを陰陽論で「何故なのか」ということを考
えていくということなのです。私はこれに22、3才
のころに出合い、そして非常に夢中になって、陰陽の
物差しで世の中の決め付けられていること、わからな
いことを解明しようとして、躍起になったことがあり
ます。その結果、説明のつかなかったものが、いくら
でも説明がつくようになりました。ですから、記憶し
なくても、丸暗記をしなくても、自分から組み立てて
いって結論を導き出すことができるようになり、理解
をもって、難無く、それからの20数年を過ごすこと
ができました。この「難無く」が「易」であります。
だから四十七才ですが、顔色もいいでしょう。艶もい
いし、若々しいし、元気いっぱいです。これには根底
に陰陽の考え方があるからなんです。食事のやり方も、
ものの考え方も、生活の営みも、皆さんとのお付き合
いのやり方も、上手にできるようになりました。正に
「陰陽諭」すなわち「易」であったと思っております。

3、物事の陰陽
 基本的な考え方を示しながら、何が陰で何が陽か、
またそれをどのように展開していったらいいのかを考
えていただけたら、いいと思います。
 先程言いましたように、男は「陽」で女は「陰」、
動物は「陽」で植物は「陰」。水は横たわって、冷たく、
動かずに静止しているから「陰」です。その反対に縦
に上がっていくものは火です。火は熟い、下から上に
上がっていくから「陽」です。昔から「塩で清める」
ということをしますが、これはなぜ、塩でなければい
けないのでしょう。同じ白でも石灰ではいけないんで
しょうか。どうやら「白い」という色に問題があるの
ではなく、その「塩」というものに「清める」という
意味が潜んでいるらしい。何故かと考えると、昔は塩
は「しほ」と書いていました。「し」は水の「し」なん
です。「ほ」は炎の「ほ」。「しほ」で「陰陽」がちゃん
と混じり合った完全体ということで、汚れたもの、不
完全なものを清めることができるというわけです。
「汚れる」とは「気・枯れる」ということで、エネル
ギーのないもの、陰性のもの、陰陽のバランスが崩れ
たものです。
「汚れる」ということは「きたない」のではなく、
「気がない」ということです。気のない人間は汚らわ
しい奴だということになります。
その人間が汚いんじゃないんです。エネルギーを感じ
ないから「けがらわしい」ということになるんです。
だから、そういうものに対して陰陽バランスのとれた
「しほ」で清める。ということで日本人は昔から塩を
もって清めていたと言えます。
それなら、何故「し」が水で、「ほ」が火であるかと
いうことになります。「し」の付くものはみんな水に
関係ある言葉です。雨は「し~と、し~と」降る。
洗濯したら「しゃぶしゃぶ」と音がでます。もっと強
くしたら「じゃぶじゃぶ」と濁ります。子供に
おしっこをさせるときも「しーしー」と言います。英
語では海のことは、"sea"ですね。だから日本人も外国
人も関係無しに、どうやら「し」は水に通じるようです。
これは別の話になりますが、人間が止まるとき、私達は
「おっとっとっと」と「と」で止まります。馬は大きい
から簡単には止まらない。だから「どうどう」です。
馬やトラックなど大きいものを止めるときには「ど」と
濁った音、人間のように小さいものは「と」で充分ですね。
外と家の中を仕切るのは「と」でしょう。ところが西洋
では「と」では止まらないのです。だから「ドア」となる。
これは単なる語呂合わせでしょうか。「止まれ」と英語で
いうと、stop=ストップ。で「ト」にアクセントが来ますね。
だから案外語呂合わせだけでは済まないと思います。
人間には本来そういう動作に対しての言葉が万国共通に
あるようです。
アメリカで英語を勉強していた時、日本的発想が英語にも
あることが分かって、面白かったことを思い出します。
要するに人間には万国共通の考えがあるということです。

4、陰陽のバランス
ただ、万国共通でいっしょといいながら、実は全然違うん
です。それは住んでいるところによって、陰・陽が逆転
するんです。単純に言いますと、例えば日本というのは
極東で、極めつけの土地柄です。日本の真反対といえば
アメリカかヨーロッパになりますが、これは地形的に
陰陽逆転です。陰陽逆転というとどれくらい差があるかと
いうと、南極と北極とは陰陽逆転ですね。北極には土地が
ないんですね。南極は大陸です。南は「陽」です。
厚い、凝集、固まりになるから大陸が出現するんです。
北は「陰」です。寒い、冷たい、海のようなところ、
ということで陸がないんです。
このように「何故北極に陸地がないのか」ということを、
陰陽論で解いていけるわけですが、これが、ただ単なる
まやかしなのかどうかは、みなさんがそれぞれ考案して
いただけたらと思います。日本とヨーロッパでどれくらい
違うかといいますと、日本は島国で、山岳地帯です。
ヨーロッパは大陸で、フラットで大平原のある、
広い国々です。日本は昔から男尊女卑と言われ、
ヨーロッパはレディーズ・ファーストと反対です。
日本は右側通行で、ヨーロッパは左側通行。
同時に反対のことを考えるんです。もちろん先程言い
ましたように、日本人はじめ東洋人は箸を使って、
散らばっているものをひとつにまとめていくのに対して、
ヨーロッパ人はナイフとフォークでひとつのものを
切り裂いていく。発想が全く違います。文章にしても、
左から右に横書きしますが、日本人は本来は上から
下に縦書きします。頭痛など、体の具合が悪い人がいて、
観察していくと、左から右へ読んで目を動かしているから
頭痛持ちであったりする場合があるんです。
そういう人をどうするかというと、右から左へ目を流すと治る、
という不思議なことがあります。人間には非常に不思
議なことがあります。左を向いて筋肉テストをしたら
力が落ちて、右を向くと力が入ったりする人もいます。
その人にとっては右を向いているほうがいいのです。
陰陽論を展開していきますと、「日本の国旗はなぜ日
の丸なのか」とすると、「昔から決まってる」わけです
が、それを決めたときの国民の理念というか、考え方、
総意、雰囲気が「やっぱり日本は白地に赤丸だ」とい
うことで表したのでしょう。それに対して反対のアメ
リカは「星条旗」といって「星」ですね。全く反対の
ものを上げています。闇夜に五〇も瞬いている星を象
徴しています。だから、あの国は常にアウトローなん
です。アルカポネが終わったら次はマフィアと。だっ
て「闇夜に瞬く五〇の星」ですから、いろんな悪いこ
とがでてくるんです。だからあの国は常にギヤングと
抱き合わせでなければ発展していけない国、と私は考
えています。別に三日月でも太陽でも良かったはずな
のに、星にした。そしてその反対の国である日本は、
 「太陽」、即ち「陽」を表したわけです。アメリカは
 「陰」を表したんです。よくアメリカ人が「日本はア
メリカのアイデアを盗んでいい性能の製品を売り込ん
で来る。卑怯だ」と言いますが、その時私は、「それ
は卑怯じゃなくて、仕方がないんだ。それがイヤだっ
たら国旗を変えなさい」といいます。「あなた方の理念
を変えなさい。そして国旗を昼を象徴する国旗に変えな
さい。そうすればあなた方の国も日本と同じようになる。
夜を象徴している限り、アイデアしかないんだ」と言
います。夜というのは暗い、ということは「種」。種は
暗い土の中でじっとしているんです。その種がアイデ
アの塊なんですね。種が大きくなって太陽にさらされ
て、美味しい実をつけるんです。だから、アメリカが
アイデアを生産し、それを日本人が待ち帰って育てて
太陽にさらして、製品という完全体を作り上げ、それ
を輸出する。だから日本は猿まねではない。アイデア
を完全に具現化させる能力があるのが日本であり、国
旗が象徴する昼間の世界である。日本は太陽の国であ
るから、未来永劫、日本が「日の丸」を掲げるかぎり、
これは変わらない。日本人の理念は「太陽」すなわち
「陽」だから男尊女卑でないと仕方がない。アメリカで
は「星」ですから「陰」を象徴しているから、女性を
象徴してレディーズフアーストという考えが出て来る。
そこから始まるわけです。食習慣にしても、日本人は
米食を主体とした菜食です。ところが、あちらは肉食
です。菜食というのは陰性ですね。米などは、水の中
から出てきて、動かない、暑い時にできるから、「陰」
で、米は体を冷します。だから、米で作った酒を飲む
ときは塩を置いて、塩で燃やしながら冷たい酒をカバ
ーしているのです。そうすると悪酔いしない。ところ
がウィスキーには塩は盛らないでしょう。同じ酒であ
るはずなのに、どうしてアテが違うのか。米で作る酒
は、米は暑い季節にできるから、米そのものは冷す働
きを待っています。冬できる麦というのは、その寒い
ときに相性が合うということは、麦は暑いんです。だ
からエネルギツシュで「陽」なんです。昔は「貧乏人
は麦飯を食え」と言われましたが、それでいいんです。
貧乏で米を食べていたらエネルギーが弱くなりますか
ら、麦を食べてパワーをつけて、金侍ちにならなけれ
ばいけない。だから、まさに理に適ったことなんです
が、「差別だ」といって、池田勇人は叱られてしまいま
した。彼が陰陽論者で解って言っていたのなら、素晴
らしいと思います。米は「陰」です。野菜も「陰」で
すから、「陰」極まってしまうと、偏ってしまって体が
持たない。だから、米は炊いて熱くくして食べるし、野
菜も、昔の日本人は生野菜は絶対食べなかったんです。
煮たり、焼いたり、圧したり、圧すというのは漬け込
むことです。潰物の時にどうして重石を乗せるのでし
ょう。あれが正に陰陽論の発想そのものなんです。野
菜は「陰」です。冷たくて、動かない。だから体を冷
すんです。重しを乗せると縮められますね。まさに、
プラックホールやビッグバーンと同じで、凝集される
んです。エネルギーが凝集するんです。だから、赤ん
坊で言えば、岩田帯を締めて子供を小さく産んで大き
く育てることと同じです。あれはビッグバーンなんで
す。産まれた時にビッグバーンが始まるんです。その
原理を陰陽論で説いて、その論理のややこしい事は言
わずに、子供が出来たら岩田帯を締めて、お腹を締め
ておくというのです。この方がパワフルなんです。大
きく産んでしまうと、それ以上大きくなりようがあり
ません。だから、日本人も、生活の知恵で陰性な食品、
野菜などは重しを乗せてぎゆーっと押え付けて、岩田
帯と同じですね。それを食べるとエネルギーが出る。
ですから、普段は米を食べるでしょう。それに対して
冬になったらそれでは寒いんです。寒いから餅をつい
て、ばらばらの米をひとつに凝集してそれを食べて栄
養素を体の中で爆発させるのです。ですから、夏は餅
なんか暑苦しくて食べられませんね。
 
5、陰陽論と栄養学
 でも、分析したら、米は米なんですよ。炭水化物、
澱粉です。分析したら同じなのに、消化吸収したら働
きが違うんです。組成は全く同じなんです。ばらばら
にしたら体が冷える。餅についてぎゆーっとしめてや
れば、エネルギーになる、というわけです。だから今
の栄養学の大きな間違いはそこにあるんです。「これ
は何々が合まれている。だから貴方には必要だ」これ
ばっかりでしょう。そうじゃないんです。形が変わる
と、働きが変わるんです。それはエネルギーの取り入
れ方が変わって、使い方が変わってくるんです。だか
ら今の栄養学は全く無知蒙昧なんです。ただ、分析的
に見た目ばっかりを追いかけているんですから。人間
は三十六度五分ぐらいの温度の体内で原子転換を行っ
ています。カリウムがカルシウムになったりしている
んですが。それがわかってないんです。最近わかって
いる人がいるかもしれません。これはケルブランとい
うフランスの科学者が50年も昔に発見していること
です。というのはサハラ砂漠で働いている労働者の尿を
調べたら、それだけの量のカリウムなど体内に入れてい
ないのに、尿に出て来るカリウムの量が非常に多いんです。
体にはそれだけ入っていないはずだ。ということは取り入
れた食物のなかで必要なものは必要なだけ転換している。
それも三十七度までの低温でです。
「これは身体の非常に神秘的な部分である」と彼は言って
います。食べたものは、そのままの形には絶対にならない
んです。牛の蛋白質と人間の蛋白質は全然違いますから、
牛の肉を食べたからといって、その蛋白質が人間の体にス
トレートにつくわけじゃないんです。ところが蛋白質が足
りないといっては蛋白質を摂っているような錯覚はありま
せんか。そういうふうに教育されてきましたから。
これも全く間違いなんです。蛋白質はみな同じ蛋白質じゃ
ないんです。もしみな一緒であれば、臓器を移植した場合、
拒否反応を起こすはずがありません。ところが拒否反応を
起こすというのは、各人それぞれ違った体を持っている
からです。
大宇宙に対する小宇宙という東洋哲学があるんですが、
そういうことなんです。あなたは一つの宇宙観です。
私も一つの宇宙観です。あなたの宇宙の一部を私の宇宙
の一部に入れることは出来ません。
だから、拒否反応を起こすわけです。これが解らなければ
いけないんです。これも陰陽論で解いてみましょうか。
というのは、人間は世界中におりますが、北の人間は背が
高くて、体が大きい。同じ人間なのに南の人間、ピグミー
なんて小さいですね。南へ行けば行くほど人間が小さく
なります。だいたいそうです。人間は北にいると大きく
伸びて、南へ行くほどどうして小さくなるのか、ということ
です。人間そのものは「陽」です。エネルギッシュなんです。
動き回るでしょう。血は赤い。体温は三十六度五分あります。
ですから、北の国へ行くと太陽が少ない。陽が少ない。
だから「陽」が大きくなるんです。それで、身長も体も大きく
なるんです。ところが南へ行くと太陽がきついですね。
太陽という「陽」があって、人間という「陽」が行くと、
反発します。プラスとプラス、マイナスとマイナスは反発
し合います。だから伸びないんです。南へ行くほど人間は小さく
なるんです。栄養が悪いだけじゃないんです。
太陽の持っている「陽」と人間の持っている「陽」が
プラス対プラスで反発するからなんです。だから大きくなれない。


6、陰陽論と身体
 入間だけじゃなく、北で大きくなる動物というのは
馬、牛、熊、鹿なんか、大きいですね。ところが南で
牛を見たら、まあ痩せこけてかわいそうなくらいです
ね。どこに肉が付いているのかという位、南の牛は小
さくなります。南の熊も小さくなります。牛も馬もみ
んな小さくなります。ということは牛や馬や熊は陽性
な動物なんです。ところが、同じ動物でも、南で大き
くなるカバとか、しまうまとか、サイとか、象とかは
北では生きていけないんです。なぜかというと、彼ら
の蛋白質は、「陰」で冷えているんです。太陽の「陽」
に対して「陰」ですから、体がどんどん大きくなるん
です。プラスとマイナスでぱ相性がいいですからね。
 米は何故冷えているかといえば、夏に暑いところで
伸びる「陰」だからです。麦は自分も熱い「陽」だか
ら、伸びることができない。だから寒いところで「陰」
のところで大きくなる。麦で作った酒、ウイスキーな
どと、同じ強い酒でもテキーラとは全然違いますね。
テキーラは南の方で作ります。だから、強烈に体を冷
す成分で作るんです。ところがウイスキーは北のスコ
トランドなどで作ります。ですから同じアルコール
(C2H5OH)と分析ではエタノールといって、
これを飲んだら酔っぱらうんですが、麦で作った
アルコールと、テキーラのようにサボテンなどで
作ったアルコールでは全然違うんです。分析上では
いっしょです。ところが働きは違うんです。一方は
体を冷すアルコール、もう片一方は体を燃やすアル
コール。すなわち、酔っ払う結果はいっしょなんです
けれども、体に及ぼす影響は違います。
南の国へ行って、スコッチなんて絶対飲めないはずだし、
北の国へ行って、テキーラは飲めないです。
飲んだところでおいしくないでしょう。だから、世界
航路の船に乗っていたらよくわかります。その国の近く
に来たら、その国の酒が美味い。ところがその国から
遠ざかっていくと、美味しかっかはずの酒がだんだん
飲めなくなる。次の国で作っている酒の方が美味しい。
まあずっと酒は飲めるわけですが、その環境に応じた
その国で作った酒が一番美味しくなる。
食物でもそうでしょう。ここで食べてもあまり美味し
くないけれど、生産している産地へ行けば美味しいと
いうのは、その土地の気候・風土に自分の体が合って
いるから美味しいんですね。だから、向こうから持っ
て来て環境の違うところで、違う環境のところのもの
を取り入れても美味しくないんです。珍味とか、嗜好品
にはなりますけれども、美味しいものにはならい。 
私が経験しましたのでは、フィリピンでのマンゴーです。
マンゴーは日本では匂いが鼻について食べられたものじ
やない。それがあちらでは「食べてみようか」という
気になるんです。強烈に「陰性」ですから、強烈に休
を冷します。ですから、暑いところに自分の身を置け
ば、うまく取り入れられる。それが日本で、こんな季
節に食べようとすると、だめですね。マンゴーが美昧
しかったので、フィリピンでたくさん船に積んで、日
本に待ち帰ろうとしましたが、沖縄を過ぎて神戸に近
付いてきたら鼻についてしまって、船のキヤビンに積
んであった全部を捨ててしまいました。「三日前まで
はあんなに美昧しかったのに」と不思議に思ったので
すが、これは陰陽諭で解くと、体を冷すマンゴーは、
日本では合わないということになります。日本の夏に
食べるのであれば、まだ合うでしょう。ところが冬な
んかだったら、日本の気候は「陰」、マンゴ~は「陰」、
体は「陰」極まりますから、病気になります。
そういう人に限ってすぐに風邪を引きます。冷え性に
なります。頻尿になります。そして、体が冷えますから
アレルギ~性鼻炎になります。だから、昔はアレルギー
性鼻炎なんて病気はありませんでしたね。ところが今
は鼻炎ばかりです。杉が悪い、何が悪いと悪者を作っ
ていますが、それは違う。あんたが悪いんです。昔は
もっとたくさんの杉の木があったのに、何もなかった
ということは、環境が悪いのでも、埃が悪いのでも、
タニが悪いのでも、花粉が悪いのでもない。人間その
ものが悪いんだ。どこが悪いかというと、体を冷やし過
ぎているんです。要するに風邪引きの状態ですね。
だから、慢性風邪引きになっているというわけです。鼻
炎というから何か違うみたいですが。ですから、風邪
引きの時にどうするかといえば、松葉家の温かいうど
んを食べて、卵酒を飲んで、体を温めたら治るといい
ましたね。冷えて、陰性になった為に病気になるんで
すから、熟いものを食べて体を温めて陽性を取り入れ
ることが必要になります。今はかっての日本人が食べ
なかった生野菜を食べるし、果物も、昔はなかったよ
うなキーウイ、パイナップルやら南国のものばかり。
体を冷すようなものばかりですね。ジュースもそうで
す。人間は本来陽性ですから体が熱い。熱いから冷え
たものを好むんです。当然口触りがいいはずです。だ
からつい、いきすぎる。その結果が冷え性になってア
レルギー性鼻炎になるんです。それなら治すにはどう
したら良いのか。体を温めたら済むことなんですね。
何も敵を探す必要はないんです。何が悪いのでもない。
むしろ自分の食生活の中で、陰性のものを取り入れ過
ぎた結果であるということを知ることです。これも、
陰陽論で解いたら簡単にわかることです。分析も、実
験も、大学の講義も何もいりません。頭の中でばあー
と解決です。そうやって、自分だけつやつやしていま
す。立場上、いつも健康で、朗らかに、にこにこして
いかなければならないのです。このように、陰陽論は
私の中で非常に重宝しているんです。

7、陰陽論の展開
 今まではおおざっぱなグローバルな部分で考えました
が、もっと深いところで見ても、あてはまります。ミク
ロの世界で考えて、例えば一番小さい原子は水素原子プ
ロトロン、陽子が一個、その周りに電子が一個、プロ
トロンというのは陽性です。それに対して電子、これ
は陰性です。これで陰と陽のバランスがとれています。
これをマクロな世界で考えると、地球が一個、月が一
個、これは水素原子と同じではないかと思いませんか。
 「これが地球であれが月だ」と見るからおかしいので
あって、水素原子プロトロンが一個、陰性の電子が一
個その周りを回っている。まさに水素核と同じなんで
す。だから、宇宙レベルから見たら、地球と月という
のは、宇宙に及ぼす影響ということで考えると、水素
と同じ働きをしているんではないか。そこまで考えを
広げるわけです。人間の体で言うと女性は「陰」の極
です。男性は「陽」です。「陽」が極まったら「陰」
になります。反対になるんです。ですから、「有」が「無」
になり、「無」から「有」を生じるといいます。形ある
ものは壊れる。「色即是空、空即是色」と般若心経の
なかに説いてますね。言葉に表したらこうなんですが、
E=MC2とアインシユタインが相対性原理で説きまし
たね。形のあるものがエネルギーになって消えてしま
った。今のものはどこへ行ったんだ。といって物が消
えることがわかったんです。ところが「形あるものはな
くなる、消える」ということを2500年前にお釈迦
様はわかっておられた。今はそれを科学的に証明して、
言っているだけで、古代人はそんなことはわかってい
たんです。女性は「陰」極まって「陽」になるわけで
すから、「陽」を出すんです。卵子を一個しか出しま
せんね。それに男性の「陽」極まった「陰」の精子が
五億程、一個の卵子を目掛けていきます。これは正に
女性の陽の極に対して男性から出た陰極が引き込まれ
ていくのです。ニユートンの万有引力と同じことが働
いているわけです。そして結び付いた一組がビッグバ
ーンで次の生命を生み出す。そして生まれたての赤ち
ゃんはエネルギーの塊り。熱い。だから「子供は風の
子」であり子供は熱いいから冷さないといけないからで
す。それで大きくなるほどに体が冷えてきて冷えきっ
たときが「死」です。死んだらまた「無」になるんで
す。「無」になったら、どこかの精子と卵子が結び付
いたときにビッグバーンを起こす。宇宙はブラックホ
ールになってビッグバーンを起こして、冷えた「陰」
が極まると凝集して、「陰」極まって「陽」になり、
 「陽」極まって「陰」になる。これの繰り返しなんで
す。人間が営んでいる人生も、生死も、宇宙の営みも
全くいっしょなんです。ですから、地球と月というの
も私にとっては「ひとつの水素原子」に過ぎないので
す。「水素原子の上にへばりついているんだなあ」と
いうことです。「だから、ちっぽけなんだから、あま
り小さいことを言って人生を追ってはいけないなあ。
おおらかにいこう」とにこにこと人生を送っているわ
けです。
 人間の体で考えてみましょう。どうして頭は一番上
にあるんでしょうか。「頭は上に決まっている」とす
れば、ナマケモノは頭を下にしようとしていますね。
人間はどうして頭を上にしようとしているのか。考え
たことありませんか。人間の体を陰陽論で解いていき
ますと、非常によくできていることが解ります。何故
かというと、よく使うところ、よく働くところはエネ
ルギッシュです。エネルギーがよく出るから熟い、だ
から冷さないといけない。だから、上なんです。上に
あると冷えていくんです。山の上の方へいくと寒いで
しょう。人間も上に行くほど冷えるんです。下に行く
ほど陽性になりますから熟くなるんです。ですから、
一番よく働くところ、よく使うところは上なんです。
一番よく使うのは脳みそですね。あまり使わない人は
ちょっと低いかもしれません。一番上の「陰」のとこ
ろに「陽」が入っているわけです。その次に心臓は左
にありますが、これも何故でしょうか。右にあっても
いいじやないか。左は「火 足りる」と書くんです。
左手は火の手、すなわち「陽」の手なんです。右は「水
極まる」と書きます。「みぎり」から「右」になった
んです。右手は「陰」の手なんです。ですから、心臓
は左に、そしてよく冷さないといけないので上にある
んです。また、心臓は四つの部屋に分かれていて、そ
れぞれ心房から心室に弁があります。あの弁の数を数
えると、左心房から左心室への弁は二枚に対して、右
心房から右心室への弁は三枚あります。同じように血
液が流れているだけですし、働く機能は全く同じ。だ
から同じ二枚ずつ、三枚ずつでもいいはずです。それ
なのに左は二枚、右は三枚です。これを陰陽論で考え
ると、「陰」というのは拡散性ですから、数が多い。
 「陽」というのは凝集性ですから、数が少ない。そし
て四つある部屋も左の下から大動脈が出ます。ここは
四つの部屋の中で左の下だから一番「陽」ですね。一
番エネルギツシュな部屋だから、血液を出しやすい。
そして一番エネルギーのないところ右の上、右心房に、
陰圧で引き上げるんです。そして右の下の心室から出
て肺へ行く。心臓ひとつにしても、そのように分かれ
ているんです。肺もそうです。右肺は三葉、左肺は二
葉なんです。心臓の弁と同じです。肝臓もそうです。
左側は小さくて、右側は大きいんです。右は陰性、拡
散性だから大きくなるんです。左右同じでもいいはず
なのに、実際はちゃんと陰陽諭で成り立っているんで
す。腎臓は左の方が右より三センチ程上にあります。
同じ機能であれば同じ高さでもいいはずじゃないです
か。これは左の方が「陽」ですから、同じ高さにあれ
ば左側はオーバーヒートします。だから冷すために少
し上に置くんです。左右の腎臓でどちらの方がエネル
ギツシュかというと、陰陽論で解けば、実験などしな
くても左になります。胃は一日に三回ほどしか使いま
せん。だから、一日五回も食べる人は少し上にあるか
もしれません。よく使う臓器は上にあります。使わな
い臓器ほど下にあります。そしてよく使う臓器は左、
使わない臓器は右に、両方にあってよく働く左側は二、
右は三という数に区分されています。頭はボールのよ
うになっていて一番軽いんです。一番陰性で、拡散性
があります。僕は、常々背骨というのはアドバルーン
といっしょだといっています。背骨が紐です。頭は軽
いのか、重いのかということになります。僕は「頭は
軽い」と思います。アドバルーンそのものです。頭を
切って目方を量ると数キロになりますが、みなさんは
目方を感じているでしょうか。正常な頭は軽いでしょ
う。背骨を押え付けているんではなくて、引き上げて
いる。だから、背骨が真っすぐになっている。僕はそ
ういうふうにとらえています。骨の密度が高さによっ
て違うんです。第1頚椎、一番目の首の骨は輪になっ
ていて、殆ど側だけです。二番目から、三、四、五番
目となるにつれて、だんだん骨質が増えていきます。
だんだん骨も太くなるでしょう。最も下の尾骨になる
と、空間がなくて骨の塊なんです。ということは、尾
骨は小さいけれども骨の密度が一番高くなります。で
すから、ファウンデーション=基礎です。それで二十
四階建てのビルとして背骨が積み立てられているんで
す。だから、骨の量を見ていくと上ほど少なくなって
います。下に行くほど密度があります。下の尾底骨が
揺らぐと、上の方はガラガラと崩れやすくなっていま
す。全くビルと同じです。解剖学にしても、僕はあま
り丸暗記はしなかったのですが、形をみて、陰陽論で
解いて、上にいくほど「陰」だから骨質は薄くて、下
にいくほど「陽」だから、詰まっている。尾底骨の前
の筋肉と後ろの筋肉とどちらが強いかという問題が出
まして、勉強してなかったのですが陰陽論で解きまし
て、後ろは陽性、前は陰性ですから、「後ろの方が強い」
としたら、合っていたようです。なぜかというと、四
つん這いに歩いたら太陽が背中に当たるからです。東
洋医学では背中を走っているエネルギーのみだれを、
 「太陽膀胱経」と言います。体が光るような働きをす
るのが「太陽膀胱経」なんです。
 今の東洋医学者はこれを解剖学的にとらえようとす
るからおかしくなるんです。機能的な東洋医学者でな
くてはいけないのです。肝臓を肝臓ととらえるのでは
なく血液を収納するところ、夜の2時~3時まで働く
ところととらえなくてはいけません。そう考えると、
夜ふかしする人は、肝臓が悪くなる。水商売の人が肝
臓を悪くするのは、アルコールだけが原因ではないん
です。本来の東洋医学での肝臓のとらえかたは、血液
を収納するところであり、夜の1時から3時までは血
液を収納して体を休めるところです。別の言い方をす
ると、丑三つ時なんです。総てが止まる時です。その
時間、肝臓が血液を収蔵して、体全体を休ませるので
す。だから、ただ単に形だけを追う西洋医学的な考え
方と陰陽論にもとづいて、動きやはたらき・生物時間
までをも立体的に有機的にとらえる東洋医学とは全く
違うものなのです。東洋医学は、人間を森羅万象の中
の一つと捉え、その陰陽のバランスをとることが、最
も良い状態、即ち健康を保つことにつながると考えま
す。個人を取り巻く環境(自然環境、社会環境)との
陰陽的調和、自分の体の中の各臓器の陰陽的調和、そ
して心の調和、それら全ての調和がとれた状態こそが
健康を生み、自らが生まれながらにして待っている内
なる自然治癒力を最も活性化するのです。そして、健
康は人生の目的ではなく、この世で自分に与えられた
使命を果す為に必要なものであるのです。東洋医学の
哲学的なところはここに極まります。


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