2014.03.07更新

平成26年2月25日

皆さんお早うございます。
本日は御卒業誠におめでとうございます。衷心より御祝い申し上げます。
又、今日に至る迄長い間、教職員の皆様方、御父兄の皆様方並びに
関係各位の皆様方本当に御苦労様でございました。
高い席からではございますが心より御喜び申し上げます。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長の大役を仰せつかっております
高校18回化学科を卒業致しました冨金原伸伍でございます。
我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として
建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校致しました。
その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、
戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。
更に時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、
62年には情報技術科を新設し現在では8学科、960名を有する
全国でも有数なる工業高校として発展し君臨して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は33,046名からなる大同窓会であります。
組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。
このように112年の輝ける伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、
本日御卒業の277名の方々が御入会して頂ける事心より嬉しく、又心強く思います。
皆さん方は今日より県工を巣立って行かれます。
長いようでもあっという間の3年間であったと思います。
光陰矢の如しとは此の様な事を云うのでしょう。
然し、この3年間は大変貴重な時期であり、大きな基礎を作るうえに於いて重要な期間でありました。
皆さん方は今あまり気付かず実感が少ないと思いますが、
卒業後多くの歳月を経るに従い学生時代の素晴らしさが思い出されてくる事と思います。
3年間という短期間の中に多くの事を学ぶ事は出来ません。
然し、この時に培った経験とか知識は計り知れないものがあります。
例えば林檎の種子一粒は非常に小さなものであり、一見なんの価値も無いように思われます。
この小さな種子から何かを見出そうとするのは非常に難しく思います。
然し乍らこの何の変哲も無い見過ごされてしまいそうな種子の中には無数の枝葉が存在し、
無数の果実が詰まっております。又、太く大きな大木も秘められております。
数十年間も生長をし続ける偉大な生命力が潜在しております。
比の一粒の種子の中に林檎のすべてが凝縮されている事実を
今一度一顧だにしてみるのも価値があることだと思います。
県工で学ばれたことは小さな事であってもこの3年間で得た種子を持って
学校を巣立って行かれる皆さんに声を大にしてエールを送りたい。大きな拍手で送りたいと思います。
本校で得た一粒の種子を
粗末に扱うなよ。
愛情の肥やしを入れよ。
知識の水を与えよ。
太陽のような熱き情熱を注げよ。
目的達成の為には燃え上がる情熱と無欲と無心が必要不可欠であり
それらが整うと奇跡が起こるであろう。
林檎の種子が大樹に育ち何時の日かきっと君の志に答えて、
美味なる果実を齎すだろう。
人によって夫々の違った種子を植える事になろうかと思います。
桃栗を植えれば3年後に果実が期待されるであろう。
柿を植えた者は、8年後を待たなくてはならない。
梨の馬鹿野郎19年とか言っていた仙台の知人を思い出しました。
成果を急ぐなよ、早稲は小粒、早成りは小粒といわれる所以であります。
じっくりと年輪を蓄えて、大器晩成を願いたく思います。
老子は云う大きな器は早くは完成しないと。
急がずゆっくりと地歩を固め乍ら目的を見失わず進もう。
蹞歩不休破鼈も千里の如く、足の悪い鼈が陸に上っても休まず進むなれば
何時の日か千里を行くという故事であります。
血統の良いサラブレッドとして生を受けた者は扨て置くとして、
サラブレッドに生まれなかった事を恨むなよ、破鼈も千里を行くの例えの如く
努力次第で千里先の目的地に達することが出来るのだから。
急ぐな!! 只只努力あるのみであると思います。
艱難辛苦をものともせず、自分の信じた道を歩もう。
自ら省みて縮くんば千万人と雖も吾往かん
自ら省みて正しければ敵対者や反対者がどんなに多くとも恐れることなく
自分が信ずる道を進もうという意味であります。
県工健児よ、県工魂で人生の栄冠に輝けることを切に切に祈念して私からの御祝辞にかえさせて頂きます。
本日は誠におめでとうございます。

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