2020.02.28更新

令和2年2月27日

皆様お早うございます。
本日は御卒業誠におめでとうございます。衷心より御祝い申し上げます。
又、今日まで長い間、教職員の皆様、御父兄の皆様並びに関係各位の皆様本当に御苦労様でございました。高い席からではございますが心より御慶び申し上げます。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長の大役を仰せ付かっております高校18回化学科を卒業した冨金原伸伍でございます。
我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校いたしました。その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。また時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、62年には情報技術科を新設し現在では8学科、960名を擁する全国でも有数の工業高校として発展して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は34,666名からなる大同窓会であります。組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。このように117年の輝ける伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、本日御卒業の303名の方々が御入会頂ける事を心より嬉しく、心強く思います。
皆さん方は今日めでたく御卒業の日を迎えられました。
長いようでもあり短いようでもあった此の3年間の学生生活は如何でしたでしょうか、改めてお伺い致します。
希望を膨らませて入学された3年前と、卒業を迎えられた今日の日を比較するにつけ、入学時描いた学生生活を思い存分に全うする事が出来たでしょうか。未だ未だやり残した事、充分に消化しきれなかった事等山積している生徒諸君も多かろうかと思いますが、然し其の心配は無用だと思います。
県工に在籍し、此の学び舎で学ばれたという事が最も大事なことであると思うからであります。貴方々の人生に於いて、此の3年間は微々たる時間帯でしかなく、多くの事を学ぶのは不可能に近いものがあります。然し、県工で過ごした此の3年間で物事の基礎の基礎を学ばれました。この基礎こそ是からの自らの運命を切り拓いて行く上に於いて最も重要な大本であります。
事物を見通す基礎学力さえ身に付けておけば、その一点さえ把握しておれば、その一点から無限大の極致迄展開する事が出来る事でしょう。

昔は読み、書き、算盤、と云われておりましたが、本校で工業の基礎を学んだ皆さん方はその智力の展開次第では途方もない程の物を創造していける事でしょう。
我々の先輩の中にも日本を代表するような新製品を生み出した人々がいるのも勇気づけられます。
例えば、瞬間接着剤 アロンアルファを考案したのは化学科の卒業生です。各科にも多くの先駆的技術革新を為された先輩諸氏が多々おられると思います。
本校で学ばれた事を夫々の分野で多いにイノベーションし、励んで欲しく思います。
最後になりますが、先人の残した教訓を以って結びにしたいと思います。
  ホームラン王に輝いた王貞治さんの言葉
   努力は必ず報われる。
   もし報われない努力があるとすれば、
   それはまだ努力とはいえない。
  アメリカのゴルフ史を代表するゴルファー Bobby Jonesは
   人は負けた試合から多くを学ぶ。
   勝った試合から教訓を掴むのは稀だ。と云っております。
  Self Help 「自序論」 サミュエル スマイルズは
   Heaven helps those who help themselves
   天は助くるものを助く、自力で努力する人には天が援助を与える
  新約聖書「マタイによる福音書 第7章」
   求めよ、さらば与えられん
   捜せよ、さらば見つからん
   門を叩けよ、さらば開かれん
   全て求める者は与えられ、捜す者は見つけ出し、
   門を叩く者は開かれる、と云っております。
このように先達は我々に人生の道標を示してくれております。
県工で学ばれた事を礎にして、土を耕して、種を蒔き、水をやって大きな大きな人生の大輪の花を咲かされんことを切に祈念して、私からの挨拶とさせて頂きます。
 本日は御卒業誠におめでとうございます。
  
                       兵庫工業倶楽部 理事長 
                          冨金原 伸伍

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