兵庫県立兵庫工業高校 卒業式 祝辞
平成31年2月25日
皆様お早うございます。
本日は御卒業誠におめでとうございます。衷心より御祝い申し上げます。
又、今日まで長い間、教職員の皆様、御父兄の皆様並びに関係各位の皆様本当に御苦労様でございました。高い席からではございますが心より御慶び申し上げます。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長の大役を仰せ付かっております 高校18回化学科を卒業した冨金原伸伍でございます。
我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校いたしました。その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。
また時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、62年には情報技術科を新設し現在では8学科、960名を有する全国でも有数の工業高校として発展して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は34,664名からなる大同窓会であります。
組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。このように116年の輝ける伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、本日御卒業の301名の方々が御入会頂ける事を心より嬉しく、心強く思います。
皆さん方は今日ここに素晴らいし伝統と誇りに満ちあふれた県工を御卒業されました。
今迄の長いようでもあり短いようでもあったであろう学生生活に終止符が打たれる時が来ました。この3年間は人生80年と云われる今日、たったの3.75%でしかありません。
しかし、このケシ粒程の種は、貴方方の活用次第で一粒万倍にもなる可能性を秘めています。
当校で学ばれた基礎の基礎を大きく展開されて、大輪の花を開花させて頂きたく思います。
我が国は資源小国と常に言われて参りました。資源小国としての悩みは常に付き纏うものの、この逆境を教育と技術革新に求めて、人材育成に傾注してきた、その結果世界でも類い稀なる発展を遂げて参りました。
極東の奇跡と云っても過言ではないでしょう。
いくら資源大国であってもそれらの資源を生かす人材と技術がなければかえってこれらの資源が災を為す場合があります。
アフリカのアンゴラでは27年間も内戦が続きましたが、これも豊富な石油とダイヤモンド資源の利権による結果、災いをもたらされたと云われております。
最近では世界最大級の石油埋蔵量を誇る南米のべネズエラでは石油で得たお金をばらまくだけで、人材育成、技術革新等を怠った結果、未曽有のインフレーションに見舞われており、その率は途方もない%に達すると予想されています。
途上国における貴重な資源の発見は反って災危が降りかかる現象があり、この現象の事を「資源の呪い」と云われています。
天然資源に恵まれない日本では教育と技術革新で繁栄をつかんだと世界から評価されております。
資源小国という災いが反って繁栄に結びついている現実を見るにつけ、これからも先輩達がしてきたようにこの道を踏襲し続けていくべきではないでしょうか。
本校で学ばれた科学技術教育を礎として、たゆまぬ創意、工夫、努力をして、これからも今迄以上に豊かな国造りに励んでいって欲しく思います。
皆様方の抱かれている夢が一日も早く実現する事を心より祈念致しまして挨拶に変えさせて頂きます。
本日は御卒業誠におめでとうございます。