2018.02.03更新

人生百歳時代のライフステージと健康プラン

                   冨金原 伸伍    

●内観をする(観心、内省)

 日本の医療費は40兆円を越えました。国家予算が約100兆円、国家運営費がその半分位といわれており、国家運営費に近い額が医療費となります。家計に例えると月給が40万円、生活費24万円、医療費16万円という事になり、この家の家計は早々のうちに破綻する事でしょう。
 今日医療は目覚ましい進歩を成し遂げ、衛生管理、栄養事情も良くなっているにも関わらず病人は増え続け、医療費も又増加し続けています。医学が進歩し栄養事情等が良くなれば十分な免疫力が備わって病気が減らなければならない筈なのに是は一体どういう事なのでしょうか。
 健康な体を維持する為にこの食べ物がいい、あのサプリメントがいい、というふうに健康体を全面的に自分の身体の外に求めた事に問題があるのではないでしょうか。健康を体の外に求めたが故に却って不健康になっているのではないでしょうか。
 40兆円を超えている現実からすると今まで体外に求めてきた健康に対する概念を今一度考え直すべき時が来ているのではないでしょうか。そこでその逆も又真なりで、その反対を考えること、詰り「内観」して心の内側を観ることも大きなポイントになるのではないでしょうか。
 今まで心の内側を観てきた人というと宗教家です。特に禅僧は瞑想で自分の心を観て悟りを開き、高僧や名僧といわれる人々を輩出してきました。彼等は禅による瞑想を通じて心のサイエンスを行じていたという事になります。そう考えると「瞑想」には大きなヒントが隠されているように思われます。
体外に何か本当のものを求めても真実を得る事は少ないことでしょう。畢竟、この世は浮いている世の中、即ち浮世なんですから実相とは程遠く意を異にします。外に求めるということは「外に行く=横に行く」であり、横恋慕、横しま、横取り、横領など、「横」に広がっていくことはトラブルが多くてあまり良い言葉は見つかりません。
 有史以来人類は、資源の収奪、領土の略奪等、「横取りの発想」ばかりしてきました。横取りで裕福になった人々がいる反面、取られて生活がままにならなくなった人々もいます。富の偏在により、不安定で混乱する社会を多方面で作り出してきました。

●瞑想で直感力を養う

 横取りの発想は駄目だとすると一体何がいいのか。「横取り」がダメなら「縦取り」しかないと思います。
 世界人口の74億人が地球に対してもし精神的に垂直に立つことになれば、垂直で「縦取り」」することが出来れば横や周囲に何の影響も出ないわけです。多くの針が針山に刺さっていても中心に向かっているので混乱を起こす事はありえません。「縦取り」とは、「直感」、「インスピレーション」を得るという事で、これを実践していくことが出来れば、争いは少なくなっていく事でしょう。
 禅僧たちは瞑想を介して直感力を養ってきました。これを「悟り」と呼び、「100%完璧な世界と、未熟な自分との間の“差”を取る」から「差取り→悟り」といい。この差が取れたら、「自分=神、仏、実相、真如、実有、真理、something great・・・」といった完璧な一つの世界に入っていけるのです。
 今迄は神や仏などという言い方をしていましたが、私は「宇宙エネルギー」だと解釈しています。「神=宇宙エネルギー」です。
 宇宙は真空ですが何もない状態ではなくエネルギーが充満している状態です。電気は媒体があるから伝わるわけで、電波が通じる宇宙には媒体としてのエネルギーがギッシリと詰まっているのです。

●「神人合一」の状態とは

 密教では、「阿字本不生を観ずるもの」と云ったりしていますが宇宙の完璧なエネルギーと、自分とが一体化することを「変性意識に入る」といい、「エクスタシーの状態に入る」、「恍惚の状態に入る」ともいいます。私は4年程前から瞑想を始めましたが、4ヶ月たった頃から今日迄に「恍惚」状態を10数回経験しました。恍惚の状態とは肉体があって、魂(精神)が肉体から離れる、「解脱」、「脱魂」という状態が起こり、精神体の自分が肉体の自分を見ている感じがします。
 変な姿勢でいると身体はきつくなって同じ姿勢では居られませんが、魂が体外にあると身体は物体と化するので何も感じず、いつまでも同じ状態で居られるわけですが、魂が身体に戻ってくると、身体が痛い、苦しい、しんどい、空腹など色々な感覚が戻ってきて五感で感じてしまうわけです。
 「脱魂=エクスタシー」の状態になったときはとても気持ちがよく、ヨガや瞑想を行う人が求めている世界は是なんだなとつくづく思う今日此頃です。

●宇宙意識の存在

 日本の合氣道の創始者である植芝盛平氏は、柔術・剣術等々色々な武道を極めた人ですが、修行をしていた時に「神人合氣の道を感じた」ことから「合氣道」にしたといわれています。植芝氏は、人にピストルで自分を撃つようにといい、相手が引き金を引いた瞬間に相手の心の内を読んで、ピストルの弾を避けたという逸話が残っています。
 これは、精神科学でいうとユング(カール・グスタフ・ユング:スイスの精神科医・心理学者)の云う「集合意識」に入った人ができる事と私は考えています。
 フロイト(ジークムント・フロイト:オーストリアの精神医学者・精神分析学者・精神科医)は、無意識の研究から個人の無意識を発見しましたが、フロイトの弟子ユングは、「集合意識(集合的無意識、空間作用域)」、所謂「宇宙意識」の存在を発見しました。
 「宇宙意識」とは一体どういうことか。
 どんな人でも以心伝心といった経験があると思います。或る人のことを考えていたら其の人とばったり会ったり、電話が懸ってきたり、食べたい物があると誰かが持ってきたり、其処へ食べに行こうと誘われたり、何かが不思議に繋がっていることを想像するには難しくないと思います。又、此の現象を「百匹目の猿現象」と謂います。
 九州の1匹の猿が芋を洗って食べていると、他の猿は当初何をしているんだろうと不思議がっていたが、あまりにも美味しそうに食べているので、2匹、3匹・・・と真似をして洗って食べる猿が増え、最終的には群れ全部の猿が洗って食べるようになり、是が100匹以上になるとエネルギーが高まり集合意識となり、その意識が青森に住む猿にも伝播して同じ行動をする猿が現れてきて、何時の日か日本中の猿が同じ行動をするようになる。これが「集合意識」と云われるものです。

●自分の信者をつくる

 漢字に当て嵌めるとよく判ると思いますが、「信者」をひとつの漢字にすると「儲」になります。儲けたかったら、100人の信者を養成したら良いと云う事になりますが、然し分かっていてもなかなか信者をつくるのは並大抵な事ではありませんので此処は逆に考えればよいと思います。信じて貰うのを待つのではなく、自分から能動的に働きかける、相手を信じて自ら多くの人を好きになると相手も好きになってくれる様になると思います。

自分が相手のことを嫌だなぁと思っていると、相手もそう思っていたり、相手に好感を持っていたら相手も同様だったりすることは皆さんも既に経験があると思います。嫌だと思うと嫌がられるのなら、自分から多くの人を積極的に信じて好きになれば善いと思います。
 其の様な事で私は可能な限り人を好きに為るようにしています。すると相手も好きになってくれる場合が多く、此の様にして信じてくれる人が沢山増えれば一人淋しい老後を送る事は無いかなと思います。
 何が幸せかというと、詰まる所、多くの人々に信じられて愛されることが最高の幸せだと思います。愛されるのを待つのではなく、此処は先手必勝自ら先んじて多くの人を信じて、好きになって、愛しまくったら善いんだと思います。

●宗教は、人を解放するためにある

 「集合意識を活用する」という事は、「信じるものは救われる」といった類の言葉で表現されてきました。特に宗教界でよく使われてきたように思います、然しこの言葉は現実的にはしっくりとこない人が多いかと思いますが、今は科学で証明されるようになってきました。
 現在の物理学の世界ではあらゆる物体を究明していくと、分子→原子→素粒子→量子→波動となって形が無くなっていくことが分かっています。
物質を細かく分析していくと波動になることを突き止め、アインシュタインは「神様は存在する」ということを認めて教会に行くようになったという逸話があります。
 今や宗教家のほうが遅れているのではないでしょうか。宗教は本来人を救う為にある、人を解放する為にある筈なのに、ある宗教団体はお金を集める事に腐心したり、信者を取り込んだり、将又精神的に脅しをかけて縛り付けていたりします。単に組織を維持するための組織になってしまっているように思えてしかたがありません。
 1517年にマルチン・ルターは宗教改革の時に、ローマ教皇の免罪符販売に反対して95箇条の論題を発表し宗教改革運動の発端を作りました。信仰によってのみ義とされる事、教会ではなく聖書のみが規範である事、信仰者はすべて神の前に等しく祭司である事等、神学思想を掲げた事により彼は追放されてしまいました。
 私が思うには、一宗一派を立ち上げた初代や創始者は神(宇宙意識)と繋がっており、神の代弁者であった筈だと思うのですが、その後の後継者達は組織を運営維持するために、教義経典主義、原理原則主義の世界に陥ってしまっているように思います。現在における日本の70%の神社仏閣が経営難に陥っており、お金儲けに走ったり、境内等を切り売りして結果的に衰退してしまっているようです。此れではビジネスマンと同じで本当の宗教家ではありません。何故宗教家自身が神人合一して衆生を精神的に解放してゆく方向に意識を向かわせないのか不思議で仕方がありません。世界中には宗教家といわれる人は星の数ほど居ますが、神人合一している人は非常に少ないのではないかと思います。
 話は変わりますが、瞑想の為にずっと座っているとうつ病に罹ってしまう人がいます。「禅病」という精神病です。250年前の禅僧で白隠禅師という人がおられましたが禅病に罹ってしまいました。彼は軟酥の法を用いて癒したそうです。500年に1人といわれる傑出した名禅僧も修行半ばには禅病克服に苦労したようです。
そこで彼が発案したのが「寝禅」です。寝る程楽は無いと云いますが本当に楽な禅ですので是非お試し下さい。


 達磨さんは9年間座って悟りを開いた時には、脚が萎えてしまっていたと聞き及んでいますが、悟りを開いた達磨が幸せになったでしょうか。実は悟りを開いたが故に仲間の坊さんに毒殺されてしまっています。
 イエス・キリストも、30~33歳の3年間救世主として人を救うために活動しましたが、最後には磔刑に懸ってしまいました。日蓮は真言亡国、禅天摩、念仏無間、律国賊と言って他宗を強烈に批判した結果二度の流罪、幾多の迫害に遭い殺されそうになりました。親鸞も然り、釈迦も又然りです。
 多くの宗教者は悟りを開くと、他者に「それは違う!」と正義を強烈に主張するので嫌われてしまい、現世利益の世界から見るととんでもないという事になるので、悟りを開いても嫌われないようにしないといけないのではないでしょうか。
 世の中はヒエラルキー(ピラミッド型に上下に序列化された階層)があります。自分が頂点に立ったからといって自分より下層の人を否定や批判することは善くないと思います。低い層の人達は、その人なりの人生を送って暮らしており、夫れ夫れのレベルに応じた居場所があるように思います。それを理解せずに相手を批判してしまうと、一寸の虫にも五分の魂、窮鼠猫を噛むという事態になり、却って混乱を招く事にはならないでしょうか。
 高齢者の中には若者に「今時の若い者は~」と言っていることを耳にする事がありますが、これは嫌われるだけで例え100歳まで生きたとしても若者に嫌われてしまいます。若者に嫌われずに100歳まで生きるにはどうすればよいのかをよく考えないといけません。

●マインドフルネス(mindfulness)

 1979年、マサチューセッツ大学医学大学院教授のジョン・カバット・ジンが、マインドフルネスセンターを創設しました。仏教やヨガを研究して、西洋の科学とドッキングさせ、瞑想を科学化して宗教色を取り除き、サンスクリット語のサティ(sati)を翻訳して「マインドフルネス」と名付けました。マインドフルネスとは、心・精神・気持ちを表す「マインド」を集中させて、気付き、自己の肯定等「今を生きる」という意味として理解すると良いでしょう。
 マインドフルネスを行うとどういうことが起こるか。
 ワシントン大学のマーカス・レイクル教授は、『The Brain's Dark Energy(SCIENTIFIC AMERICAN March 2010)』というエッセイで、アルツハイマー病やうつ病、統合失調症などの精神疾患、心配性、キレる人など心の問題を持つ人を調べたところ、病巣と同じエリアに「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」の異常が見られると発表しました。
 人間の脳はぼんやりしていても無意識でも、寝ていてもDMN領域は働いています。人間が1日2000kcalを使って生きているとすると、そのうちの2割、400kcalは脳で消費されていると云われています。又、其の内の60~80%はDMNに使われており、意識的な活動には2000kcal中5~6%しか使っていないのです。
脳は常にアイドリング状態でいて過去のことや今までの知識を将来にどう活かすかに使っているのではないかと推測されており、このDMNが脳を疲労させてしまうのです。
 人間の身体は意外と疲れないものですが、DMNによって産生される「アミロイドβプロテイン」が脳を疲れさせており、脳が疲れると身体が疲れる、故にアミロイドβプロテインを常にデトックスしておけば頭は常にクリアーで記憶力は抜群に良くなり、心身共に爽快感を得る事が出来るでしょう。このアミロイドβプロテインという脳疲労物質を除去する方法は一つしかありません、それは良質な睡眠です。

 良い睡眠をとった後は頭がスッキリとしますが、ダラダラと何時間寝ても疲れが取れないのはアミロイドβプロテインが残留しているからです。
 脳脊髄液は約130mlあり、脳脊髄中を1日に3~4回くらい還流し、総流量500ml位でクリーニングしていると云われていますが、良き睡眠が取れないと疲労物質は完全に除去されずに残留してしまいます。良き睡眠を得るにはマインドフルネスをして無の状態になることで脳のストレスを軽減すると良質な睡眠を得る事ができます。
 良い睡眠とは寝始めて直ぐに深い眠りにつき、起きる時はパッと目が覚めて心身共に爽快であるといった睡眠のことであると云えます。
 瞑想することで前頭葉が発達してくると理性が発達し、感情をコントロールできるようになるので感情的にはならなくなります。
 年を取ってくると前頭葉が萎縮して退化してきます。又、中間脳にある扁桃核は、不安、恐怖心を作り出す所ですのでそれを放っておくと本能のままになり、猿のように感情のままに行動するようになってしまいます。
キレてしまうのは前頭葉の退化によるもの、もしくは扁桃核の異常によるものとされています。
 腹式呼吸をしてマインドフルネスを行い前頭葉を鍛えておくと脳が安定し、いつも冷静沈着な精神状態を保つことが出来るので、素晴らしい年の取り方が出来ると思います。温厚な人柄の人の所には多くの人々が集まって来ること間違い無しですので、マインドフルネスで自己の感情をコントロール出来るようにすることが大切であります。

●香りの効果

 腹式呼吸を10回ほど行うと交感神経優位から副交感神経優位に切り替わっていきます。その状態で瞑想・マインドフルネスを行うと、すっと変成意識に入れるようになります。
 此の様に変成意識に入りやすい状況をつくる為に香りを利用します。真言密教系には五香六薬という言葉があるように香りを大変重要視しており、伽羅や松根、白檀、丁字、といった香を炊いたりします。五感のうち香りによる嗅覚刺激のみ中間脳の扁桃核にストレートに入っていくので寺院では経験的に香りの作用を活用してきた訳です。
 620年、推古天皇の時代に淡路島に沈香木が流れ着きました。漁師が普通の木と同じように燃やしたところ非常によい香りだったため天皇に献上しました。それを聖徳太子が仏像にして比叡山に安置し残りを法隆寺に納めました。これが日本における香木に関する最初の記述です。
 752年、東大寺が建立された時、唐・百済から献上品として持参されたのが、156cm、直径21cm、重さ13kgの「黄熟香(おうじゅくこう)」、後の名を「蘭奢待(らんじゃたい)」といわれる天下一の名香木で東大寺正倉院に収蔵されています。
 その香木を削って調香したのが、足利義満、足利義政、織田信長、徳川家康、明治天皇と言われています。
 世界で香りは40万種類あると云われていますが例え自分が好きな香りでも他人が好きになるとは限りません。ある研究ではいい香りとされている香水について、3割の人は良い香りと認識しますが、3割は嫌い、4割は何
方でもいいと認識するそうです。香りを身につけると3割の人に嫌われるという事ですので、香水をつける時はよくよく考慮してつけたほうがよいでしょう。

 PS:サーキュエッセンスという香水
この香水は(株)フットテクノの藤田稔社長が社運を賭けて開発したもので、90%以上の人々に好感を与えるものです。90種類以上の香り成分が凝縮しており、マラソンの金メダリストである高橋尚子さん、大リーグで現在活躍中の鈴木一郎選手等有名アスリートが利用しているものです。嗅覚刺激により心身の活性化を図る香りとして注目されています。

●ビジネスにおけるマインドフルネスの活用

 アメリカのグーグル、フェイスブック、ツイッター、IBM、インテル、国防総省、200以上の診療所や病院等々世界のエリート達がマインドフルネスを取り入れてストレスを取り除き心の安定に役立てています。
 アメリカに禅を広めた「2人の鈴木」といわれる禅僧、鈴木大拙と鈴木俊隆がいますが、アップルの創始者のスティーブ・ジョブズは、1970年代に曹洞宗の僧侶である鈴木俊隆の著書『Zen mind, beginner's mind』に出会い感銘を受け、その後30年間鈴木の弟子にあたる乙川弘文に師事し禅修行を行じながらアップルを立ち上げました。
 グーグルは6万人の社員うち実に3人に1人はマインドフルネスに取り組んでいます。パソコンの画面ばかりを見ていると人の顔も認識が出来なくなるぐらいストレスが懸り作業効率が落ちてしまうそうです。企業の社員の中の5%が此の様になると会社は潰れると云われています。
 何故彼らはマインドフルネスに取り組むのか、マインドフルネスに取り組むことによって脳のストレスが軽減する、EQ(Emotional Quotient.感情指数)が高まりお金が儲かる、人間関係が良くなる、地位や名誉がついてくる等々、だから取り組むのだといいます。非常にアメリカ的発想です。
 イエス・キリストも釈迦も、カーマ(神)とマーラ(悪魔)との闘いから煩悩を捨て去り、聖者として歴史に名を残したわけですが、多くの人々はマインドフルネスを実践しても欲を捨てきれないようです。
殆どの人々は、「マーラ=煩悩」を満たす為の手段としてマインドフルネスを利用しているように思えてしかたがありません。
 何方が良い悪いという事ではありません。自分の求めるものが神の世界であっても、煩悩の世界であっても、何方でもいいと思います。世の中は、昼と夜、陰と陽、光と影、男と女等々、表裏一体として存在しており、表が大なればその裏も又大なりで双方が拮抗して同時に存在しており、陰陽は無双原理に従っているのですから。
仏教では善悪不二といい、ライプニッツは善悪は矛盾しないと云いました。又、カントは背反二律とも云っております。より高い次元に於いて昇華すると一つに融合されて善も悪も無くなるという意味になるのでしょう。
 皆さんは、100歳を迎えるにあたって何方の道を行くのか、それは自分自身の選択に委ねられています。
 外に求めるのではなく内側に求め、宗教観を除いてマインドフルネスに取り組み、常に脳を活性化させてストレスを軽減する事が出来れば免疫力が上がり、病気にもなり難くなり、心身共に快適な人生を手中に入れて笑顔で幸せな春秋100歳を迎える事が出来るでしょう。

(神戸東洋医学センター所長/2017年11月27日 第204回 神戸生活文化サロン 於:東天閣)

2018.02.03更新

第 15回  マインドフルネス &質疑応答の会

・・・どんな質問にもお答えします・・・

日時  2月15日(木) 2:00~
会費  無料
場所  全日本柔整師協会 http://www5e.biglobe.ne.jp/~jyusei/

    神戸市中央区中山手通5-1-1 神戸山手大木ビル 6F
講師  冨金原伸伍

※ 毎月 第3木曜日 2:00~開催致します

どなたでも御参加頂けます。要予約。
神戸東洋医学センター  TEL(078)371-3203
            FAX(078)371-1313

2018.02.03更新

第32回 料理教室

第13回 マインドフルネス&質疑応答の会

・・・どんな質問にもお答えします・・・

日時  2月4日(日) 2:00~

会費  マインドフルネス  無料

場所  玄米カフェ春貴  https://www.shunki.com/cafe.html

    神戸市中央区三宮町3-9-19 春貴ビル

講師  冨金原伸伍

どなたでも御参加頂けます。要予約

神戸東洋医学センター TEL 078-371-3203

           FAX 078-371-1313


※ 次回 3月4日(日) 1:00~ 第33回 料理教室

            2:30~ 第14回 マインドフルネス&質疑応答の会

 

 

2017.07.28更新

御挨拶

兵庫工業倶楽部理事長
冨金原 伸伍

盛夏の候 同窓諸兄姉の皆様方の御健勝を心よりお慶び申し上げます。
兵庫工業倶楽部は、日頃より皆様方の熱き母校愛に支えられて健全なる運営がなされています。この書面を借りて御報告と共に改めて御礼申し上げます。
太陽の輝きは日を追うごとに益し、炎夏は、灼熱のエネルギーと化し、学舎に校庭に容赦なく降り注ぐ今日此の頃ですが、県工健児にあってはそれが如き酷暑をものともせず、寧ろその難を超越していく喜びを噛み締めて、学業に倶楽部活動に励んでいる姿を垣間見るにつけ、同窓の我々も曾てはあの校舎であの校庭で同様に未来に夢を託して切磋琢磨した事を重ね合わせると、セピア色に霞んだ淡き県工時代が、昔日の想い出が彷彿として蘇り、心中で逍遥し、うっとりとし乍ら筆を執っている次第です。
此の度、小河 徹校長先生が退職されました。本校に於いては2年間の在任でしたが、当校で長きに亘って採用されていた一括募集方式から各科別募集方式にシステムを抜本的に改変されました。又、その他多くの課題にも精力的に取り組まれた小河 徹校長先生には万感胸に迫る想いがあります。御退職後も矍鑠として御多幸であられん事を祈念致します。
尚、小河 徹校長先生の後任として、大川 真澄校長先生が着任されました。これからの2年間の御活躍を大いに御期待申し上げる次第であります。
 我が県工は明治35年11月兵庫県立工業高校として2学科、生徒数65名をもって開学いたしました。爾来、115年の年月を経た今日、8学科 960名を有する全国でも有数なる工業高校として発展して参りました。卒業者総数は34,399名を数え工業立国日本の一端を担い今日に至っております。
これからも日本と県工が共に有りて、工業立国の基としてその実力を発揮してゆかなければなりません。其れ故に学校と同窓が一丸となり毫厘の間隙をも許さず、(史記袁盎伝)一旦緩急あれば共に事に当り運命共同体として国と共に進歩発展し続けてゆかなければなりません。毛利元就の三本の矢の古事を引き合いに出すまでもなく、常に我々は共に強固な絆で結束して揺るぎ無ければ、どのような事が起ころうとも泰然として物事に動じず、人と人との絆が強固であればある程に如何なる困難があうとも、ものかわとして撥ね返す事が出来るでしょう。
その総ての根幹となるのは、儒教で謂う五常の一つ「信」の一語に尽きると想います。
県工と兵庫工業倶楽部の益々の発展を祈念しつつ擱筆致します。

2017.05.19更新

5月15日 ほんまるラジオで放送されました

下記をクリックして下さい ↓

http://honmaru-radio.com/mayuken05/

2017.04.10更新

平成29年4月10日

皆様本日は御入学誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
桜花爛漫と咲き誇り、神戸の背景を彩る緑の山々は春霞の彼方に煙り、大輪田の泊りは春光に満ち満ちて明日への希望の輝きを放つ、
パステルで彩られた淡い水色の大空に包まれた学びの園からは、兵工賛歌が聞こえてくるようなこの佳き日に、新入生の皆さんの御入学を改めてお慶び申し上げます。
今日迄御父兄の皆様方に於かれましては大変御苦労様でした。皆様方は立派に御子息を御養育されました。御子息が百有余年の歴史ある県工に入学された事は紛れもなく、その事実を物語っております。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長を仰せ付かっております高校18回化学科を昭和41年に卒業した冨金原伸伍でございます。我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校致しました。その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。更に時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、62年には情報技術科を新設し現在では8学科を有する全国でも有数の工業高校として発展して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は34,399名からなる大同窓会であります。組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。このように114年の伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、三年後、今日御入学された320名の方々が全員御入会頂ける事を心より嬉しく心強く思っております。

今日御入学された皆さんは、只今県工という土俵に上がり同じスタートラインに立っているわけですが、その思いは十人十色と言われるように各人各様の思いがあろうかと思います。
入学時より卒業までの3年間を見据えてその過ごし方を鮮明に描き、その夢の実現の為に入学した者、又、何の方向性も目的も無く、況や着地点をイメージする事もなく、唯成り行きに身を任せて入学した者、其れ其れである事でしょう。然し、入学の動機は如何にあろうとも、今ここに輝かしい伝統と誇り高き歴史を有する県工という土俵に上がった事実があります。望むと望まざるとを問わずこの素晴らしい土俵に上がっている偶然にして必然の事実を認め、稀なる天与のチャンスが与えられた訳ですから見逃す手はありません。
この素晴らしい土俵で3年間見事な相撲を取って欲しく思います。
 学校は貴方方に全てを教える事は出来ません。又、皆さん方も全てを学ぶ事は不可能でしょう。要するに学校で学ぶ事は基礎の基礎であり、物事の本質を見極める事を学ぶのであります。この基礎を学ぶに当っては細心の注意を払って、微塵も疎かにしてはなりません。堅牢無比なる土台さえ築いておけば、後はその上に如何なる構築物をも自由自在に築くことが出来るでしょう。
学校での3年間は光陰矢の如しで、あっという間の出来事として過ぎ去って行く事でしょう。一所懸命に穿ち込めば穿ち込む程に、一心不乱になればなる程に、無心になればなる程に、一つの事に一途になればなる程に時間の認識が薄れていき、一瞬の内に3年間は終わって仕舞う事でしょう。
一瞬々々の中に心魂を込めて、有限の時間を無限大に活用し挑んで行って欲しく思います。
この事実は貴方方銘銘の歴史の中に克明に刻まれ、貴方方を生涯決して裏切らない事でしょう。これ等は全て財産として体躯と共にあり、四六時中、何時でも何処でも一生涯貴方と共にあり続け、バイタリティーの源泉となる事でしょう。学生時代に得た多くの体験と知の底辺は広大無辺に広がり、その上に築かれるものは無限大の高さを誇るピラミッドになる事でしょう。
誰にも侵されない、誰にも奪われない鉄壁のピラミッドは終生貴方と共に有ります。
水面に浮かぶ浮草は幾ら繁茂しても幾ら栄華を誇ってみても、一陣の風に敢え無く吹き飛ばされて跡形もなくなる事でしょう。
この世を浮世とはよく言ったもので、浮草の様に浮いているという意味があります。
浮いた世の中で浮草の様に流されない為には、一本の根を何処迄も伸ばし続け、池底に穿ち込み根を張る蓮の様になるしかありません。
流行りや廃りに目を奪われず、些細な事に一喜一憂せずに大地に根を下ろし、風が吹こうと嵐が来ようと、何の様な天変地異が起ころうとも、微動だにせず悠然と屹立して居ようではありませんか。
何処で咲こうと朽ちようと、泰然自若として居ようではありませんか。
江戸時代末期の僧 釋月性の詩に「人間到る処青山あり」と詠まれております。人は何処で死んでも青山即ち墳墓の地とする所はある。故郷を出て大いに活躍すべきであるとの意であります。
卒業してからではなく、今からこのような気概をもって挑んで欲しく思います。
 前述した事の全ては、今日から始まる県工での過ごし方一つに掛かっていると云っても過言ではありません。
これらの事を唐人の寝言として聞き流すのではなく、一顧して肝に銘ずべきであり、此の様な学生生活を過ごした貴方々は我々同窓の誇りであり、貴方の家族の栄であり、国の宝であります。
此の様な国民で満ち溢れる日本国は如何なる艱難辛苦が襲い掛かるとも、金城湯池の国として永遠不滅を約束されるでしょう。
貴方方と共に我々3万4千有余名の卒業生がおります。我々が築き上げてきたものの全てを後輩である貴方々に引き継ぎをする為にも、この3年間を有意義に過ごして頂きたく思います。
今日この場に於いて、私の思いの一端を永永と吐露させて頂きました。これをもちまして私からの御入学の祝辞に変えさせて頂きます。本日は御入学誠におめでとうございます。

2017.02.25更新

平成29年2月25日

皆様お早うございます。
本日は御卒業誠におめでとうございます。衷心より御祝い申し上げます。
又、今日まで長い間、教職員の皆様、御父兄の皆様並びに関係各位の皆様本当に御苦労様でございました。高い席からではございますが心より御慶び申し上げます。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長の大役を仰せ付かっております 高校18回化学科を卒業した冨金原伸伍でございます。
我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校いたしました。その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。
また時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、62年には情報技術科を新設し現在では8学科、960名を有する全国でも有数の工業高校として発展して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は34,116名からなる大同窓会であります。
組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。このように115年の輝ける伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、本日御卒業の283名の方々が御入会頂ける事を心より嬉しく、心強く思います。
只今改めてもう一度皆さんのご卒業に対しておめでとうの言葉を敬意の念を込めて心より申し上げたく想います。
三年前大きな夢と希望を膨らませて御入学された事と思います。又在学中の過し方等色々と暗中模索されたことでしょう。 或る者は入学時から卒業時まで一貫して一心不乱に自己の掲げた目標を達成するべく邁進してきた事と想います。また目標が定まらず只徒に三年の年月が流れていくのを傍観者然として看過してきた者もいる事でしょう。
然し、何れにせよ何の様な過し方をしようとも、この三年間の経験は何一つ無駄なことはありません。
「荘子 人間世篇」の中にある無用の用に、一見何の役にも立たないように見えるものが反って大切な役割を果たしている事であります。
今この瞬間に如何なる虚無千万の不安が去来しようとも決して悲観等悲しみの感情にとらわれる事無く全ての負の因子はこの場に捨て去り、又明日から生まれ変わった気持ちで新しい人生への最善の道を模索し前進していって欲しく思います。
三年間の歩み方は夫々に百千の過し方があったでしょうが、少なくとも今日御卒業される皆さんの共通認識は県工という学び舎で共に過し、哀歓、苦楽を共にしてきた共通の歴史historyがhis storyとして皆さん方が経験してきた想い出の中に刻まれております。
この貴重な想い出を大事にして不撓不屈の精神で、タフで格好良く人生を歩んで欲しく思います。
今日を限りに巣立って行かれる貴方々には明日よりは今迄とは違う全く異なる世界が開かれております。
この世間という荒波に飲み込まれないように時には大胆不敵に時には細心熟慮を駆使して貴方々一人々に与えられた素晴らしい使命を手綱捌きも鮮やかに思い存分に果たしていって欲しく想います。
人間個人にしても国にしても将又世界にしても、一身が独立しなければ安心で安全で豊かな環境を築く事は出来ません。
一身を独立させるにはどうすべきであろうか!!
「孟子梁恵王臣」にあるように一定の財産、生業を持たない人は定まった正しい心がない。生活が安定しなくては心の安定はないといっております。
即ち恒産なきものは恒心なしという諺の中に端的に云い表されております。
又、現今の日本の情勢を俯瞰してみると外政にあっては中国との尖閣諸島領有権の問題、韓国との竹島領有権の問題、ロシアとの北方四島の帰属問題、北朝鮮の核・ミサイル問題、アメリカのトランプ大統領における新政権との問題等々、翻って国内問題をみてみると地震、洪水、火山爆発、台風等々の自然災害に始まり少子高齢化、労働力、社会福祉、年金、景気対策等々多くの人為的なものも会い俟って難題が山積し内憂外患の様相を体しておりますが、これ等の問題を解決する方法は如何に。
此れを人体に例えてみるならば体を包んでいる皮膚一枚外側には病気の原因となる有害な微生物が無数に存在しております。
これらの有害な微生物から体を守る方法として、攻撃は最大の防御として消毒薬とか抗生物質を投与する方法があります。
もうひとつの方法は自己免疫力を高めてどのような外部環境にも耐えうる精神力と体力を蓄えておく事、その為には日頃より健康に注意し、病気に罹らず丈夫でいられるように努める事、金剛不壊の身体を保持する事であり、日頃から時を惜しんで刻苦勉励し知的能力を養い、精神的、身体的免疫力を涵養し、鍛錬を怠らない事であります。そうすれば前述した近隣諸国の日本への理不尽な干渉や無理難題も瞬時の内に雲散霧消するでしょう。
又国民生活を圧迫している40兆円を越える医療費も相当額抑制する事が出来るでしょう。
年金の問題もすべて解決に向かうでしょう。
有史以来古今東西を問わず国を含めて組織というものは内部から崩壊することが多々有るようです。
紀元前八世紀頃に興ったローマ帝国は国名としてのローマであれば2206年間続きましたが、終末期には政争、反乱等が相次ぎ内部から瓦解し滅んでしまいました。
組織体というものは外圧には中々屈しませんが内部からの問題に於いて敢無くなるようです。
私共の住む素晴らしい国日本はローマ帝国のような末路を踏むような事、無きようにしなければなりせん。
貴方々が県工で学んだことの全てを礎として豊で安心安全な国そして世界に誇れるような道義的国造りを目差して欲しく思います。
今日から我々卒業生と共に足腰の強い逞しい日本国建設の為に取り組んで行こうではありませんか。
以上色々と述べさせて頂きましたが、貴方々の背後には3万4千有余名の卒業生がおられます。
その卒業生達が築き上げてきた優れて大きな基礎の上に貴方々が立っておられます。
我々多くの卒業生は貴方々の絶大なるよき援助者であらんとする者で、各方面において惜しみない手を差し伸べてくれる事でしょう。
これからの皆さんの益々の御発展と御成功を心より祈念して、祝辞にかえさせて頂きます。
本日は御卒業誠におめでとうございます。

 

2016.04.09更新

平成28年4月8日

皆様本日は御入学誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
春風は大輪田の泊りより潮の香りを運び、六甲の山々は緑の息吹を吹き返す。学び舎は桜花の薫りを纏い、春爛漫として降り注ぐ日の光は今日御入学された皆様方を優しくお迎えしております。
今日迄御父兄の皆様方に於かれましては大変御苦労様でした。皆様方は立派に御子息を御養育されました。この百有余年の歴史ある県工に入学された事は紛れもなく、その事実を物語っております。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長を仰せ付かっております高校18回化学科を昭和41年に卒業した冨金原伸伍でございます。我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校致しました。その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。更に時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、62年には情報技術科を新設し現在では8学科を有する全国でも有数の工業高校として発展して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は34,116名からなる大同窓会であります。組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。このように114年の伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、三年後、今日御入学された320名の方々が御入会頂ける事を心より嬉しく心強く思っております。

今日御入学された皆さんはこれから3年間県工で学ばれます。
3年間という歳月は、本当に短いものであり油断をしていると光陰矢の如し、あっという間に過ぎ去って行く事でしょう。然しこの青春時代の一頁の3年間こそが非常に大切な時間でこの時期を迂闊に過ごすと将来に大きな禍根を残すことになると思います。
学校で学べる事は非常に小さな小さな芥子種の粒程の小さな事でしょう。然しこの小さな芥子種には1メートル以上にもなる大きな大きなエネルギーが内在しております。もし核分裂を起こさせる事が出来れば原爆の200万分の1位のエネルギーが潜んでいると私は想像します。
学校では基礎の基礎を学ぶのであって、この基礎を学ぶ事によってそれらを応用し、発展させ、開花させていくのです。学校で学び経験することは何れどのような形になるかは分かりませんが、事の結果の大小美醜は問えないけれども因果応報という形で貴方々の未来に形成されていくでしょう。良い学び方をした者、良い経験を積み重ねて来た者には其れ相応の果実が実っている事でしょう。
裏腹に不誠実な学び方や不純な行動の結果は論を待つ迄もなく不安と無気力、焦燥と暗澹たる暗い将来しかないでしょう。全ては貴方々が想い描き行動して来た結果の答えでしかありません。
あわよくばとかラッキーとかは通用しません。そのような事に期待せず精励、努力しよう。
まず高校生活に於いての目標を立てよう。
その目標に向かって汗をかこう。
目標達成の為には休む事なく一心不乱になって歩み続けよう。
目標に到達する迄、決して諦めないで忍耐しよう。
目標が成就するよう確固たる信念を持とう。
目標達成の為には自ら省みて正しければ敵対者や反対者がどんなに多くとも恐れる事なく自分の信ずる道を進もうと孟子が言い残しています。2300年程前の中国の思想家で王道政治を説いた人の言であります。又、「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」という古言は司馬遷が著した史記の中に見られます。意味としては、小さな者には大きな者の志は分らないという事です。誰もが理解し難い程の志を持って、この3年間挑んでみては如何でしょうか。
最後に明治期の福澤諭吉の著「学問のすすめ」の一部を引用して結びとしたいと思います。
生まれた時は平等だけれども・・・我らは同じ人であるのに仕事や身分に違いが出るのはどうしてだろうか。同じであるのに違うのならば違う部分があるのであり、その違う部分というものこそが学ぶと学ばないとにあるのである。人の違いは生まれつきにあるのではなく学問に励んだのか、学問に励まなかったかにあるのだ。天は人を平等に作るけれども人の世の中は平等には出来ていない。そして、その差は学問をしたかしなかったかによって生まれている。しかし乍ら福澤諭吉は「学問のすすめ」で学問の重要性を説いているけれども、この学問というのは机上の勉強に終止するものではなく世渡りをするのも商売をするのも時代の情勢を見つめるのも「学問」としており学問の本質は自分がどう活用できるかにかかっている。知識は議論により交換したり公開して広めるように努めなければならないとしております。願わくばこの3年間をフルに生かし全身全霊を打ち込んで価値ある県工時代を築き上げて欲しいと願いつつ御挨拶にかえさせて頂きます。
本日は御入学誠におめでとうございます。

2016.04.09更新

平成28年2月25日

皆様お早うございます。
本日は御卒業誠におめでとうございます。衷心より御祝い申し上げます。
又、今日まで長い間、教職員の皆様、御父兄の皆様並びに関係各位の皆様本当に御苦労様でございました。高い席からではございますが心より御慶び申し上げます。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長の 高校18回化学科を卒業した冨金原伸伍でございます。
我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校いたしました。その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。
また時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、62年には情報技術科を新設し現在では8学科、960名を有する全国でも有数の工業高校として発展して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は33,813名からなる大同窓会であります。
組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。このように114年の輝ける伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、本日御卒業の303名の方々が御入会頂ける事を心より嬉しく、心強く思います。
今日の此の佳き日に、皆さんは県工を巣立って行かれます。三年の長いようで短く想う学生生活であったと思います。
陰になり日向になり貴方方を今日迄教え導いてこられた恩師の諸先生方を始め、思い出深き校舎よ、校庭よ、さようならと告げて去って行く君達の雄々しき姿に、清楚で優しくも強き大和撫子に、いずれ日本の未来を支える父となり母となる日を重ね思い描くだけでも心から嬉しく頼もしく又力強くあり、先輩として祝着に存じます。今日、御卒業される皆さん方はこれからは諸兄姉、父母、祖父母弥諸先輩がしてきたように、今まで以上に刻苦勉励し骨身を惜しまず努力しなければなりません。
それは諸先輩達が日本の平和と安全、繁栄と豊かさを希求して今日の世界に冠たる日本を築き上げて来られた事に対してであります。
又この恩恵に浴して来た事に喜びと感謝をし、この伝統を誇りとして今日より明日、明日より未来へと繋ぎ永遠の発展を求めて進化してゆかねばなりません。
明治維新の頃、150年程前の日本が輸出出来るものは生糸ぐらいしかありませんでした。ところが今日の日本は如何でしょうか。
国民の所得はこの100年間で28倍にも達し、アメリカの防衛産業、特に航空機に至っては30%以上の精密機器は、made in Japanからなっており今や日本の製品なくしては空を飛べない状態になっております。自動車を製造するには20,000~30,000個の部品が必要とされて、自動車産業に係わる人々の数は全労働者数6,000万人余の中の9%に当るといわれております。H-IIAロケットで100万点、国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」で約200万点、人工衛星で数十万点に及び、全ての機器、部品は高い機能と同時に過酷な宇宙空間に耐えられる高い信頼性が求められておりますが、是等の殆ど全てと云っていい位の部品は純国産から成っております。是丈を見てもわかるように今や日本は地球上で生活する為に必要なあらゆるものを生産出来る人材とノウハウを蓄積しております。
日本は常に資源少国と云われ続けてきましたが然し、資源が幾ら豊富にあっても其れを利用できる技術力とそれを扱う有能なる人材が不可欠であります。先の大戦に於いては欧米は鉄鋼、石油等を日本へ禁輸する措置を取ろうとしてABCD包囲網を敷き日本への経済封鎖を行ないました。
昭和10年頃の事であります。日本はアメリカ、イギリス、中国、オランダによって兵糧攻めに遭いこの死活問題を突破する為に外交で破れた日本は戦争という手段を選んでしまいました。
然し敗戦を経て70余年たった今日の日本は世界から羨望の眼差しで見つめられる程の高度な経済成長を果たし成熟した民主主義国家を築き上げております。
日本人の勤勉さと実直さ、そして道義的精神性等が相俟ってこれ等の相乗効果の結果としての果実であり、

この美風は日本人として世界に誇るべきものであると私は堅く信じております。
この優秀な人的資質があったればこそであります。
この資質は幾世代にも亘って自然の中に育まれ涵養されてきたものです。
この成果が世代を超えてDNAの中に組み込まれております。
この素晴らしい天賦の素質の上にこれからの未来を築き上げてゆく貴方方はゼロからのスタートではない分非常に恵まれております。
況してや3年間という貴重な一時を県工で学び、人としてどうあるべきかの基本を多々学び、これから実社会へ出て大いに役立つであろう工業の基本も沢山学ばれました。
この盤石の基礎があればどんなに大きな構造物を創造しても微動だにしないでしょう。
創造性を豊かに、発想を無限大に展開させて欲しいと思います。
総ての事物は国というバックボーンがあっての事であり、私の体験上から一度外国へ出て少し苦労するとこの意味が身に沁みてよく分かると思います。
皆さん方も県工で学ばれた事を最大限に生かし自らの人生を声を高らかに謳歌して一身独立を計って欲しいと思います。
百数十年前に個人及び国家の独立自尊、社会の実利実益の尊重を福澤諭吉が説いておられます。
県工健児の皆さん!! 一時でも早く一身独立して世界も羨むような理想国家日本の国作りに励んで頂けるよう切にお願いしてご挨拶とさせて頂きます。
本日は御卒業誠におめでとうございます。

 

2015.04.08更新

平成27年4月8日

皆さん本日は御入学誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
寒さ厳しき冬は去り学舎に校庭に春光は眩しく輝き皆さん方を優しく力強く御迎えいたしております。
今日に至る迄御父兄の皆様方に於かれましては大変御苦労様でございました。
貴方方は立派に御子息を御養育されました。この百有余年の歴史ある県工に入学された事は紛れもなく、その事実を物語っております。
私は平成23年度より兵庫工業倶楽部理事長の大役を仰せつかっております高校18回化学科を卒業致しました冨金原伸伍でございます。
我が「県工」は明治35年11月、兵庫県立工業高校として建築、機械の2学科、生徒数65名をもって開校致しました。
その後明治42年電気科、大正6年応用化学科、大正10年土木科、戦後は学制改革により現在の兵庫県立兵庫工業高等学校となりました。
更に時代の変遷に対応するべく、昭和33年デザイン科、34年電子科、62年には情報技術科を新設し現在では8学科を有する全国でも有数なる工業高校として発展し君臨して参りました。
又、兵庫工業倶楽部は母校の発展と共に卒業者総数は33,794名からなる大同窓会であります。
組織的には8つの各科別同窓会、10の地方支部、多数の勤務先兵工会が存在しております。
このように113年の伝統と歴史に支えられた兵庫工業倶楽部同窓会に、三年後、今日御入学された320名の皆さん方全員の御入会を大いに御期待致しております。

新入生の皆さんは今日から高校生活が始まります。
今までとは全く異なった環境に少しの緊張と戸惑いがあろうと思いますが、それもフレッシュマンとして今のみ味わう事の出来る貴重な体験として咬みしめ、記憶の中にしっかりと留めておいて欲しく思います。その時々の思い出こそ、その人の人生そのものであり、掛け替えの無いものであります。多き思い出こそが豊な未来を切り拓いていくものと思います。
ドイツ人は「想い出の無い人間は、故郷の無い人間と同じである」と言っていたように思います。
楽しい事、辛い事、苦しい事、全て貴重なる体験として貴方々の年輪として一つ一つ刻まれて行く事でしょう。
年輪が多い程大きな大木になり、年輪が緻密であればある程強くしなやかで粘りを増してゆく事でしょう。
急がず地道に地に足をつけて、己が進む道を信じて確実に地歩を進め、ひたすらその道を突き進んで欲しく思います。棟梁の木は沃土に育たずといいます。風雪に耐えた木こそが棟木として、又、梁として相応しい木として成長していきます。
又、早稲は小粒とか云われます。早く稔るけれども小さいという古事であります。
今は芽吹きが遅くても心配するなよ。今は生長が遅くても心配するなよ。
地歩を止める事なく歩み続けるならば、いつの日か目的地に辿り着くものと思います。
「大きな器は、早くは完成しない」と老子は云っております。
早く着く者遅く着く者、人には夫々の歩み方があるもので、人と較べる事も人と競争する事もなく、
願わくば全てが自分との戦いである事を知った上で日々努力して欲しく思います。
全ての行動は天が知る、地が知る、人が知る、己れが知る。
天道の厳粛な事を能く能く心に留めて誰も知らなくても自分が知る、
自分自身を偽る事は出来ないという事であり、故に自分に正直に生き抜き自分との戦いに打ち勝ち、
どのような事があろうともネバーギブアップの精神で白旗は忘れて行こう。
一寸先は何が起こるかわからないのが人生というものだから、
最後の最後まで油断せずに自分の目的が達成される事を只々信じて行こう。
そして貴方々が信じて進んだ道が、自他共に共感し喜びを分かち合えるような結果を得る事になれば、
この上ない人生の歩み方だと思います。
そのような事を吉田松陰は「名利のために学問をしたり、暗記力や記憶力がいい為、
学問が好きだから学問をするようなことでは駄目だ。世の中を良くする、現実を変革するという志のもとに、時代を開く為に尽す志が大切だ。」と教えたといいます。
皆さん方の県工での3年間の過ごし方がこのようであればと祈念しつつ私からの御祝いの言葉と致します。
本日は誠におめでとうございます。
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